師走の夜空に輝く「冬の王」、オリオン座。 その左肩で赤く鈍い光を放つのが、巨星ベテルギウスである。 この一等星は、天文学者たちが「いつ最期を迎えてもおかしくない」と 見守る「死にゆく星」だ。人生の成熟期を迎えたものたちにとって、 この老いた巨星の姿は、単なる衰退ではなく、 「円熟した命だけが放てる圧倒的な輝き」を教えてくれる。 642光年彼方のこの赤い星を鏡とし、自己の現在地と思索の旅に出る。
次回もお楽しみに!