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コラム:第2章 第3話:ASPSのノイズと、存在しないはずの「記録」
コラム
コラム:第2章 第3話:ASPSのノイズと、存在しないはずの「記録」
2026年02月13日
「あれはロミオだ…なぜ、ここに?」
ホワイトが、そう呟きました。記憶力と情報分析能力では、アシスタントチームの中でも随一の存在の彼が把握できていないほどの異常な光景と姿であることが、僕にもわかりました。
そして、ホワイトの瞳の色が変化して、彼のファネル分析が開始されました。
古い西洋の街角…ミラノ…コルティナ・ダンペッツォ…ジェノバ…蜃気楼のように見えていたのは古い街並みがスライドショーのように高速で切り替わっている現象であることを、ホワイトは瞬時に分析したのです。
書籍に刻まれたスクリプト…画像データのドット配列…映像データの幾層にも重ねられた構成パーツ…それらすべてに僅かずつノイズが介入していることで、折れ耳の猫が目的のデータ…情報のゴールに辿りつけずに迷走している
…ということをホワイトは断定的にセーラに伝えました。
「双子座のロミオ?」
僕がまだ会ったことのない名前が、セーラの口から疑問符として吐き出され、その場にいる全員の耳に届きました。
「ロミオのスケジュールを調べる…彼が双子座を離れることは絶対にありえない。それに、彼はアストロシンガーズではないからASPSで配信するライセンスを持ってはいない」
チーフアシスタントのレッドが、特に僕に伝えることを目的にして、僕以外の全員が知っているはずの事実を言葉にして伝えてくれました。
「あ…消えた…」
そのレッドが断定しました。
「双子座のロミオが、次の行き先をシャッフルして探してるようにも見えたね」
ロミオとは親しいらしいラスカルがセーラに問いかけます。
「双子座には図書館があるから、そこと接続された可能性があるわね…図書館という器との接続ではなく、そこに収蔵された数々の文化遺産のどれかだと思うけど…
かろうじて接続はされたけど安定していなかったから、こちら側には飛び出さずに帰ってしまった…そんな感じなのかもね」
「うん、あの特徴的な折れ耳は見間違えようがないからね」
「もしかして…僕を追いかけてるのかな?あの猫の声が聞こえた気がしたよ…みんなには聞こえた?」
僕の問いかけには、そこにいる全員が首を横に振りました。
「マルちゃんにだけ聞こえた……?」 セーラさんは複雑な数式が躍るホログラムパネルから顔を上げ、僕をじっと見つめました。その瞳には、エンジニアとしての好奇心と、僕を心配するような色が混じり合っています。
「ホワイト、マルちゃんのバイタルとASPSのログを照合して。……もしかしたら、このシステムには私が意図していない『共鳴回路』があるのかもしれない」
ホワイトが僕の耳元で小さなセンサーをかざすと、空間に青い波形が浮かび上がりました。 「セーラ、マルコ様の聴覚野は、現在放送されている周波数とは別の、超低周波……いいえ、これは『時間の地層』から漏れ出している音を拾っています」
「時間の地層……。やっぱり、この魚座の底には『時のアーカイブ』の入り口が隠されているのね」 セーラさんは、誰もいないはずの水槽の奥、再び静まり返った群青色の闇を指差しました。
「ロミオは図書館の番人。彼はアーカイブの門を叩こうとする者を見定めるために、時空を越えて現れたのかも。……マルちゃん、彼がなんて言ったか、思い出せる?」
僕は目を閉じました。耳の奥に残っている、あの懐かしくて、どこか寂しい声。 「『……見つけて……本物の……』。そこまでしか、聞き取れなかったけど」
その瞬間、水槽の中で泳いでいた一匹の小さな銀色の魚が、ガラスをコツンと叩きました。その魚の瞳は、まるで意志を持っているかのように僕を見つめています。 ラスカルさんが息を呑んで呟きました。 「あれは……絶滅したはずの古代魚よ。どうして、ここに……」
存在しないはずの記録。聞こえるはずのない声。 僕たちは、最新テクノロジーでは説明できない、銀河の巨大な記憶の渦に足を踏み入れようとしていました。
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