コラム


コラム:011:矢を放つ前、意識は必ず沈黙


2025年11月29日
矢を放つ前、意識は必ず沈黙を必要とする。
この沈黙は、何かを考えているようでいて、実は何も考えていない状態に近い。
時代がどれほど変わっても、人が内側で向き合う課題は案外変わらない。
「自分は何を求めているのか」
「なぜ、この道を選んだのか」
「何に心が動き、何に疲れてしまうのか」
「どこまで伸びていけるのか」
こうした問いは、矢そのものの素材となる。
矢は物質ではなく、“抽象的な問いの結晶”だ。
そして、問いが結晶化したとき、ふとした拍子に矢は放たれる。
放つ瞬間の感覚は、誰にでも覚えがあるはずだ。
たとえば、何かを決めるとき。
たとえば、突然心が軽くなるとき。
たとえば、涙の理由がわからないのに溢れるとき。
それらは、矢が静かに放たれた証だ。

一覧へ戻る

上に戻る