コラム


コラム:010:膝をついたオリオンを抱き留


2025年11月23日
膝をついたオリオンを抱き留めた女神の瞳が揺れた。
「大丈夫、すぐに治すわ。神の力で――」
「無理だよ」
オリオンは弱々しく笑った。
「俺も気づいてたんだ。最近、誰かの目が俺を刺すように見てるって……」
蠍は役目を終えると、静かに闇へと溶けていった。
アルテミスはその背を睨んだが、追おうとはしなかった。オリオンの体を抱く手が震えていた。
「勝手に……勝手にいなくならないで。まだ話したいことがあるの」
「聞きたかったことも、言いたかったこともたくさんあるさ。でも……ごめん」

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