コラム


コラム:010:月が静かに森を照らしていた


2025年11月20日
月が静かに森を照らしていた。
その光の中を、一人の狩人が歩いていた。オリオン――広い大地で名を知られた腕利きの狩人だ。速さも力も、誰も彼に及ばないと言われている。
その夜、彼は弓を肩にかけながら、ふと足を止めた。
月明かりの下に、白い影が立っていたからだ。
「……月の女神、アルテミス」
彼女は振り返り、淡く微笑んだ。その表情は、月光のように静かで優しい。
「また狩りに来たの?」
「あなたこそ。女神が夜の森にいるなんて、珍しいじゃないか」
それは、ふたりの日常の始まりだった。

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